歯の役割と仕組み
- 乳歯と永久歯
歯は何本あるの?
ご自分の歯が何本あるのか、ご存知ですか?
子どもの歯(乳歯)は全て生え揃うと20本。対して大人の歯(永久歯)は、通常28本ですが「親知らず」を加えると(4本生えた場合)32本になります。この親知らずは生える人もいれば生えない人もいて、生える本数も人によって異なります。永久歯というものは、通常15歳前後で生え揃うのですが、親知らずは生える時期が概ね10代後半から20代前半であり、『親に知られることなく生えてくる歯』であることがその名前の由来とも言われています。
乳歯の役割
乳歯(子どもの歯)は全て生え揃うと20本あります。乳歯が生えることで、ものを噛むことができるようになるため、顔の形も整ってきます。子どもにとっては「自分で食べる力をつける」という役割も担っています。
順番や時期は人によって異なる場合がありますが、生後8か月から「下の乳中切歯」→「上の乳中切歯」の順に生えてきて、そのあと前から奥へと順に、2~3年をかけて生え揃います。
乳歯はやわらかいので虫歯の進行が早く、この時期にかかった虫歯や歯並びの問題などは、次に生えてくる永久歯の成長に大きくかかわる事があります。
そうならないためにも予防歯科で歯磨きの実践をしたり、歯科医院での定期健診を心がけるようにしましょう。大人の歯「永久歯」
永久歯は「親知らず」を含めて全部で32本あり、その形状で3種類に分けられます。
それぞれの歯は次のような役割を果たしています。切歯・・・食べ物をかみ切る
犬歯・・・食べ物を引き裂く
臼歯・・・食べ物をすりつぶす中でも「第1大臼歯」は、永久歯の中で最も大きく、噛む力が強く、噛み合わせの基本にもなる大切な歯です。しかし「奥に生える」「噛み合わせの溝が複雑で汚れがたまりやすい」などの理由で、虫歯になりやすい歯でもあるため、生えてきたら積極的な虫歯予防が必要です。
- 歯の構造
歯の仕組みについて
歯は、大きく分けて「歯冠」と「歯根」の二つから構成されています。
「歯冠部」とは、口を開けて実際に目に見える部分の歯のこと。
対して「歯根」は、歯ぐきの中に埋まっている部分のこと。
また、歯は色々な組織から成り立っていて、それぞれに役割を持っています。歯冠部(しかんぶ):歯の上部に見えている部分
●エナメル質
歯の一番外側。人体の身体の中でもっとも硬い組織で、様々な刺激から歯の神経を守ります。●象牙質(ぞうげしつ)
エナメル質の内側にある柔らかい組織。象牙質に刺激が加わると痛みを感じます。●歯髄(しずい)
歯の中心部にあり、中には、血管・リンパ管・神経線維などが集まっていて、歯の痛みを感じるのは主にこの歯髄です。歯根部(しこんぶ):歯ぐき(歯肉)の中に埋まっている部分
●歯肉(しにく)
歯冠の下にあるピンク色の粘膜(歯ぐき)で、歯槽骨(あごの骨の一部で歯を支える組織)や歯根膜を守る役割があります。●歯槽骨(しそうこつ)
歯を支えているあごの骨。歯周病が進むと、この歯槽骨が壊され、歯を支えられなくなって歯が抜けてしまう事があります。●セメント質
象牙質をおおっており「歯槽骨(歯を支えているあごの骨)」とくっつくける役割をしています。●歯根膜
『歯根膜』は歯槽骨(歯を支えているあごの骨)と歯根の間にある薄い膜のこと。歯根と骨をつなぎ、歯槽骨に刺激が伝わらない様クッションの役割をしている組織です。- 歯並びについて
歯並びが悪いと虫歯の原因になる?
歯並びが悪いと「歯と歯の重なっている部分や隙間」に、どうしても食事の際の食べカスが付きやすく、歯磨きをしても歯ブラシの先が届きにくいので、磨き残しが起こりやすいという点もあります。
食事の際の食べカスが、歯磨きで落としきれないことで歯垢(プラーク)となってこびりつき、虫歯の原因菌の格好のエサとなってしまい虫歯の原因となることがあります。
口臭の原因にも?
歯のすき間に溜まった食べカスや歯垢(プラーク)は、口臭の原因になるとも言われています。虫歯のリスクと共に、口臭予防の為にも歯並びの悪い箇所のケアは特に慎重に行いましょう。
歯並びが悪い場合はどうしたらいい?
「歯並びが悪い」という自覚のある方は、
・日々の歯磨きで意識的に丁寧なブラッシングを心がける
・歯医者さんで定期健診を受けてチェックすることが大切です。
しかし、歯並びが悪いまま放っておくことは、虫歯になりやすいということだけではありません。歯と歯のすき間にたまった歯垢や歯石が口臭の原因になったり、噛み合わせが悪くなっている場合は、全身に弊害が出てくることも心配されます。
上記のことから、可能であれば「歯列矯正」などを受けることをおすすめいたします。